STORY

充実した毎日を楽しんでおられるご夫婦の物語。

閑静な住宅街に佇むM様邸。
道路に面して車2台が入る大き目の車庫。その横に石畳のアプローチ。その両サイドは雑木林の雰囲気。そこをくぐりぬけると格子戸の玄関につながっています。とても趣のあるお宅です。

そんなM様宅に、「ご夫婦の暮らし」をお伺いに行ってきました。

「こんにちはゎ~」

玄関を開けると、「和」の中に「モダン」を感じる落ち着いた空間が広がっています。趣のある少し長めのアプローチは、「どんなお宅なんだろう?」と想像を掻き立ててくれます。玄関を開けるとその趣は、そのまま家の中にも続いていました。玄関の右手は、京都・祇園を感じさせるような伝統的な「和」の雰囲気。奥様がお花の師範をされており、そのお稽古に使っておられるお部屋だそうです。
玄関から真っ直ぐ奥に進むと、リビングにつながります。右手に小上がりの和室。その先が、吹き抜けの広い空間(リビング)になっています。この吹き抜けの空間が、なんとも居心地のいいスペースになっていて、思わず「ここ、いいですねぇ~」と言葉が出てしまいました。

吹き抜けの天井には、大きな梁が見え、その横には2階につながる小窓があります。梁と小窓。どこか懐かしさを感じさせる雰囲気があり、そこに居ると、とてもほっこりする空間になっています。

リビングには、庭に向かって大きな掃き出し窓があり、そのまま広いウッドデッキにつながっています。窓は(戸袋が付いていて)全開することができます。全開すると、リビングとウッドデッキ、さらに庭までがつながり、とても開放感のあるスペースとなります。吹き抜けの天井とあわせて、“高原にある別荘”を感じさせる雰囲気です。知的で、とても豊かな時間が流れているお住まいです。

M様ご夫妻は、50歳代の始めにこの家に建て替えられました。それから10年以上。今は、ご夫婦共にお仕事を退職され、お二人でゆったりとしたリタイアメント・ライフを楽しんでおられます。

― 今、どんな毎日なのですか?

とてもゆったりとした雰囲気の漂うお二人だったので、そう質問をしてみました。

奥様
毎日、庭いじりをしたり、裏庭の畑で野菜を作ったりして過ごしています。それに、リビングに座って、コーヒーを飲みながら、庭を眺めたりね。ゆったり、ゆっくりした暮らしです。スローライフって言うんですかね。もちろん、外出する時もありますよ。でも、家に居る時間がとても楽しいから、と。
家が馴染んできた。

ご主人
建て替えてからもう10年以上になりますが、自分達がどんどん、この家に馴染んできた感じがしています。
馴染んできた?
自分達の暮らしぶりと、この家が段々としっくり来て、毎日がとても居心地がいい。ゆっくりする。気持ちがいい。のんびりできる・・・といった感じです。あくせくせず、ゆったり、ゆっくりと。

アプローチを通り抜けた時から感じていた「豊かで上質」な印象はリビングまで続いていて、それはM様ご夫婦の暮らし方にも反映されていました。心豊かに、ゆっくりと人生を楽しんでおられるご様子。

友達がたくさん訪れる。

毎日、ご夫婦でゆったりと過ごされているM様ですが、お友達が家に来られることも多いのだそうです。お友達や元同僚、ご近所さんなどが、「今日、おじゃましていい?」と、気軽に遊びに来られるそうです。そして、気がつくと「2時間くらいおしゃべりしています」と。居心地がいいから、あっという間に時間が経ってしまうのだと思います。

たくさんのお友達が家に集まって、わいわいがやがやと楽しい時間を過ごされている。お友達がたくさん訪れる家って、いいですよね。暮らしに張りが出るようで。

― とても素敵なお住まいですが、そもそもどんなイメージで建てられたのですか?

「コンセプトは、『雑木林の中の小さな家』だったんですよ」と、奥様から。ほっとできて、やすらぐ家にして欲しかったとのこと。
ご主人からは、「自然、光、風を直接、感じられるような家にして欲しかった」と。また、「“余白のある暮らし”といったイメージかな」とも。
一方、キッチンやリビングなど、個別箇所に対する細かな要望はあまりされなかったそうです。それよりもむしろ、「庭を見ながらお料理ができるようなキッチンがいいね」といった具合に、「こんな暮らしがしたい」といったイメージを伝えられたとのこと。
ただ、「バリアフリーは、しっかりと伝えました」と。これから歳を重ねるので、安全で、安心できる造りにして欲しかったので、「ドアはすべて引き戸です。万一、車椅子になっても自由に動けるように」と。
そもそもの発想のところから、“きっちりと詰め込んだような家”ではなく、どこかに“余白”があるようなお家。その“余白”が、ゆったりとした雰囲気や、心の豊かさを生み出しているようなM様宅です。

― ところで、里やま工房に決めた理由は何だったのですか?

「同じ想いを共有できたこと」だそうです。

建て替えを決めてから約3年間。全部で10社以上のハウスメーカーや工務店の話を聞いたが、「これだ!」という提案が出てこなかったそうです。どれも、「なんか、違うなぁ~」、「どこか違うぞぉ~」といった印象で、自分達の「想い描く家」とはズレがあったと。

そんな中、里やま工房の社長さんと知り合う機会があり、自分達の想い描く家のイメージを率直に伝えたそうです。すると、その会話をもとにスケッチを描いてくれて、それが想い描いている家にとても近い感じになっていたそうです。それで、「これは任せていいのでは・・・」と、話を進めて行かれたそうです。

そこからは、自分達の想いが、どんどん具体的なカタチになっていきましたと。もちろん、いろいろな追加の要望もしたし、修正も依頼しました。ただ、根っこのところで自分達が想い描いていた「家」、「暮らし」を共有できていたので、信頼して任せることができましたと。

家づくりの経験
「里やまさんは、家づくりを一緒に楽しめる工務店だった」。

家は、「単に、依頼して建ててもらうもの」とか、「(商品を)買ってくるもの」という感じではなく、自分達で“想い描いたもの”を実現してもらう、という風に考えていました。だから、家づくりという一大プロジェクトを一緒に並走してくれるような工務店さんが良かったと。

家の建て替えを決めてから約3年が経過していたので、自分達も家づくりについてたくさん情報収集していました。また、勉強もしていました。例えば、ネットのフリーCADシステムを使って、実際に自分で設計もしてみましたよと。なので、自分達の「こうしたい」、「こんな風にして欲しい」という要望をたくさんぶつけて、自分達も家づくりに参加したという感覚を持っています。“観客席で観ていた”のではなく、自分達も“プレーヤーの一員として試合に参加した”ようなイメージです。だから、完成した家は一層、愛おしいし、「自分達の家なんだ!」という強い意識がありますと。

家づくりで3度、楽しむ!

家づくりを通じて3度、楽しむことができましたと。

最初は、「家を建て替えよう!」と決めてから、「どんな家がいいかなぁ~?」と考えている段階。雑誌やネットで家のことを調べたり、いろいろなハウスメーカーさんや工務店さんを回ってモデルハウスを見たり、話を聞いたりしている時期です。家のイメージがだんだんと具体化していき、わくわくする感じでしたと。

次は、里やま工房さんに決めて、そこから具体的な家が設計されていく段階。自分達の頭の中にあった想いやイメージが、具体的なカタチにどんどん落とし込まれていく。「実現」にどんどん近づいている感じが、とても楽しかったと。

そして最後は、実際の施工の段階。基礎が出来て、そこへ柱が立っていく。実際に「家」が出来上がっていく姿を見るのは、本当に楽しかった。ほぼ毎日、仕事が終わると、施工現場を覘きに行きました。「今日は、どんな感じになっているかなぁ~」と。休みの日には、お弁当を持って施工現場に出かけました。そして1日中、工事を見ていました。それで、大工さん達とも仲良くなって。

どの時期も、本当に楽しかったと。

設計をする人と直接、話ができる“ダイレクト感”

家づくりの過程で、たくさんのハウスメーカーさんや工務店さんと話をされたM様ご夫婦。その際、ほとんどが営業担当の方と話をすることが一般的だったそうです。営業担当の方は、確かに話はわかりやすいのですが、(実際に設計する担当の方はその先にいるので)どこか伝言ゲームのような感じがあったと。

一方、里やま工房さんでは、社長さんと直接、設計の話をすることができたそうです。「こんな風な家がいい」とか、「ここは、こんな風にして欲しい」とか。なので、話がダイレクトに伝わり、とてもやりやすかったそうです。

コミュニケーションて、本当に大切だなぁ~と感じます。

50歳代で建てて本当に良かった!

M様が建て替えをされたのは50歳代の時。退職まで待つ選択肢もあったそうです。しかし、「今!」と思って建て替えを決められたそうなのですが、結果的に「すごく良かった」と。最大の理由は、「新しい家で50代を過ごせたこと」だそうです。それは、まったく新しい暮らしの時間になったこと。そして、とても貴重な時間だったと。

また、新しい家になって職場の同僚や友達、ご近所さんが家によく来てくれるようになったそうです。その延長線で、今でも多くの元同僚、友達、ご近所さんが家に来てくれると。なので、とても楽しいわが家になっていますと。

インタビューを終えて

M様から伺った「50歳代で建て替えをして本当に良かった。退職までの時間がまったく新しい暮らしになった」という感想がとても印象的でした。

「家」という物理的な存在は、やっぱりそこで暮らす人の毎日を変えるのだなぁ~と改めて感じた取材でした。そして、その「家」の個性によって、「住む人」の暮らし方も影響を受けるのだなぁ~とも。

「こんな暮らしをしたい」をしっかり考え、「そのためには、こんな家がいい」としっかり具体化をされたプロセスが、「本当にいい家」として実現し、「豊かな時間。上質な暮らし」につながっているように感じた取材でした。

M様、どうもありがとうございました。