STORY

Vol.06 上質な故郷の暮らし

【新築】四季折々の風景と一緒に暮らすご家族の物語

お母様がふとおっしゃった、「わが家は、四季折々の風景と一緒に暮らしているような家なんです」という言葉がとても印象的でした。まさに、そのお言葉通りのお住まいでした。

N様邸は、母屋の隣に新築された離れ。お父様、お母様、お嬢様の3人でお住まいです。

そのN様邸の特長は、なんと言っても「窓から見える景色」が素晴らしいこと。どこに居ても、庭とその“向こう側”に広がる田んぼや山々が大きな窓を通して目に入ってきます。

「窓から見える風景」を創っている“要素”のひとつが、N様邸の素敵なお庭。これは、すべてお父様の手造り。手入れの行き届いたとても素晴らしいお庭です。

そのお庭とその周囲に広がる風景が、家のどこに居ても目に入ってくる設計になっています。N様宅におじゃまして、“素敵な風景が目に入る”というのは、とても居心地がいいものなんだなぁ~と改めて実感しました。

庭造りが大好きなお父様が、離れの新築にあわせて3つの坪庭を新しく造られました。左下の写真は、キッチン・ダイニングの前に広がるお庭の“造成中”の写真です。もともと、ここには坪庭を造る予定だったのですが、お父様が「庭なら、わしが造る!」と買って出て頂きました。新築から5年、風景にしっかり馴染んだお庭になっていました(右下の写真は、リビングから見た庭)。

そのお庭の背景には、周囲の田んぼや山々が広がっています。ちょうど“借景”のような光景で、見ていると心が落ち着く感じです。

お嬢様によると、新築前にお住まいだった母屋は、庭に向かって縁側があり、続いて見せの間(店の間)。そして、その奥に居間といった間取りだったため、居間からはほとんど庭が見えなかったそうです。

それが、新しいお家ではダイニングのすぐ横に庭が。キッチンからは、庭が真正面に見えます。ややLの字に配置されたリビングからも庭がよく見えます。とても、気分がいい空間です。

離れを新築する

離れを新築された経緯は、三人姉妹の末の妹さん家族が同居をし、母屋に住まれることになったため。そこで、お父様とお母様、真ん中のお嬢様が暮らす離れを(母屋の隣に)新築されることになりました。

離れを新築する際、お父様が「わしは、この住み慣れた母屋がいい!離れには行かん!」と“駄々をこねられた”とか(笑)。

それでも、新しい離れが出来て、そこに住んでみると、すっかり気に入ったご様子だそうです。

– ご家族の一日は?

ご家族の一日は、どんな感じですか?と、伺ってみました。

お父様は、田んぼがお仕事。稲作を行う春から秋にかけては日が昇ると、田んぼに出かけられる毎日。加えて、庭の手入れもお父様の担当。時間を見つけて、庭の手入れをされているそうです。

家事と畑を切り盛りするのは、お母様のお仕事。毎朝、朝食の支度と後片付けをした後は、畑に行かれるが日課。今の時期(秋)は、キャベツ、白菜、ネギ、茄子、キュウリ、ピーマン、ブロッコリー、しし唐など、たくさんの野菜を作っておられるそうです。特に、「今年は、いいネギが出来たんですよ」と、うれしそうにお話して頂く姿が印象的でした。

そんなご両親のお部屋は、LDKのすぐ隣です。窓から、素敵なお庭が見えるように配置してあります。そして、ドアを開けると、すぐLDKとつながるようにも。歳を重ねていくので、「万一の時の介護」を考え、LDKに近い場所をご両親のお部屋に。そして、お部屋とLDKでコミュニケーションがとりやすいように、壁に襖を組み込んでいます。

– 家を建てる時、どんなご要望をされたのですか?

「両親のことを考えて、1階はバリアフリーにしていただきたいとお願いしました。」とは、お嬢様から。家の中の段差をなくし、フラットになるように。廊下は広くして、車椅子が通れるように。そして、お風呂やトイレにも車椅子がちゃんと入るようにと。

それから、引き戸ひとつで、ご両親のお部屋とLDKがつながるように。(万一、ご両親が寝たきりになっても)ご両親が孤立せず、いつもLDKにいる誰かと一緒にいられるようにと。

それに、ご両親のお部屋からお庭がちゃんと見えるようにとも。

お嬢様自身のご要望は、「畳みでゴロゴロしながらテレビが観られるように」だったそうです。“わが家”を、落ち着いて寛げる場所にするためにそうしたご要望にされたのだとか。

また、「書斎が欲しい」とも。それで、2階の南側に寝室、東側に書斎を造られました。その書斎の窓からは、町がストーンと向こうまで見渡せます。「ここに座っていると、とても落ち着く」場所だそうです。

また、2階には一番上のお姉さまが帰省された時やお友達が遊びに来られた時に泊まれる部屋も一室設けられました。畳みを敷いた寛げる和室です。

– 工務店さんを選ぶ際の判断基準は何だったのですか?

ゆったりと豊かな時間を楽しんでおられるN様に、「どのような基準で工務店を選ばれたのですか?」と質問をしてみました。

たまたま、ある大手ハウスメーカーさんの展示場に行った際、その隣にあった「里やま工房」のモデルハウスにも立ち寄ったのだと。「以前から、里やま工房さんのことは知っていたのですが、そこでモデルハウスを見せてもらったのが最初です」と。

「すると次の日、里やまの社長さんが来てくれて、『里やま工房の家』について詳しく説明してくれた」そうです。「木の家の良さ」や「風景が見える暮らし」など、今の家の“原点”のような話だったと。

もともと、「木の家がいいなぁ~」と考えていたのと、「明るい家がいい」とも思っていたので、里やま工房の家は、「そんな要望にあった住まいだった」とのことでした。

多分、N様はその他にもいろいろな部分について、比較・検討をされたのだと思います。ただ、社長さんの訪問のタイミングや、そこで聞いた「木の家」の話などが、ちょうどいい具合にフィットして「里やまさんに決めよう」となったのだろうなと感じながら、お話を伺っていました。

ちなみに、その他では「動線にも気を配った」ともお伺いしました。使いやすくて、暮らしやすい家が良かったのでと。

以前、母屋に住んでいた頃は、「それぞれの部屋が、とても遠かった」そうです。それで、“使いづらさ”を感じることもあったのだと。例えば、お風呂は居間から廊下を通ったずっと先にあって、「お風呂に行くのが遠かった」と。

今は、生活空間がコンパクトにまとまっています。お風呂やトイレも、リビング・ダイニングからすぐのところで、とても快適なようです。

また、“ちょっとした心配り”がいろいろなところにありました。右の写真は、階段のけこみ板に取り付けられた灯り。階段の電気を付けると、障子模様の小さな窓から灯りが漏れる造りです。ちょっとしたアイデアですが、“高級感”が醸し出されます。ちなみに、その階段の下は収納になっていて、灯りは収納スペースを照らす灯りだそうです。

家の中にあるいろいろな工夫についてお話を伺っていると、ふとお嬢様から「トイレって、どこにあるかわかりましたか?」との質問が。「え~とぉ・・・」と考えていると、「玄関入った正面だったのですが、気がつきましたか?」と。

玄関を入ると、正面奥に小さな窓があり、そこから素敵な坪庭が顔を覗かせています。なんと、その小窓があるのがトイレだと(そう言えば!取材前にN様邸の写真を見せてもらった時に、“トイレがいい!”って聞いていました)。

トイレの外側に小さな坪庭を造り、そこが見えるようにトイレに小さな窓を付けるのが里やま工房の特長だそうです。もちろん、プライバシーは100%確保した上で。すると、トイレが“カッコいい場所”になるようです。なんだか、とても“ゆとり”を感じる工夫になっていました。

それから、家の中で一番好きなところは?とも聞いてみました。

お母様は、「キッチン」だそうです。
使いやすいし、動きやすい、と。

それに、景色もとても綺麗です。キッチンからは、お父様が造られたお庭がすぐ側に見えます。その背後には山々が広がり、とても綺麗な風景になっています。そんな素敵な景色と一緒に、お料理が出来るキッチンです。

N様邸のキッチンは対面式で、そのままダイニングとつながっています。そして、ダイニングのすぐ横に大きな掃き出し窓があり、その先にウッドデッキ。そして、坪庭という配置。

コンパクトで、とても使いやすそうな配置なのですが、「施工中はちょっと心配だった」そうです。

施工中に、柱の位置を見ると「ちょっと狭いかも・・・。このスペースで食事をするの・・・」とかなり不安になったそうです。柱が立っているだけの空間を見ると、なぜか狭く感じます。そんな不安を抱えながら見守っていた施工現場だったのですが、出来てみてビックリ!ちょうどいい広さな上に、大きな掃き出し窓とウッドデッキがお庭に続いていて、とても開放感を感じるダイニング・キッチンになっていました。

夏になると、お嬢様がこのウッドデッキで、飲み物を片手に気分良く涼まれるそうです。(確かに、気持ちよさそうなウッドデッキでした。)

お嬢様の「一番のお気に入り」は、「書斎」だそうです。書斎で、ただ景色を眺めている時間が、「とても幸せ」なんだと。

確かに、書斎から見えるのは“ずっと向こうまで町が見渡せる”といった景色でした。“自分が生まれ育った町が見える”というのは、とても心が落ち着くようです。

この取材は夕方の5時頃から始まったので、お話を伺っているうちに、外はすっかり暗くなっていきました。すると、ダイニングの大きな窓の向こうに見える山から、綺麗なお月様が顔を出しました。ちょうど、お天気のいい日だったので、雲はなく、お月様がとても綺麗に見えます。暗くなった中にうっすらと山影が見えて、その上にお月様が見える。本当に風流で、落ち着く雰囲気です。

また、LDKは南東を向いているので、朝日も入ってくるそうです。大きな窓から朝日が差し込むLDKは、とても快適なのだろうと想像します。

お父様が丹精込めて造られたお庭と、周囲の風景が家の中にあるとても美しいN様邸でお話をお伺いしました。“ふるさとの風景が見える”というのは、とても居心地がいいんだなぁ~と実感した取材でした。

N様、大切なお時間を頂き、とても貴重なお話を聞かせて頂きありがとうございました。

インタビューを終えて

両親とお嬢様が、ゆったりと豊かな時間を過ごしておられるのが印象的なN様ご家族でした。

また、お母様とお父様が「とても仲良しなんだろうなぁ~」と感じられるお話をたくさん伺い、とても微笑ましく感じる取材でした。例えば、お母様が「2階に上がって外を見回すと、お父さんがどこにいるか(どこの田んぼにいるか)すぐわかるんですよ」とおっしゃっていたのですが、その口ぶりから「ずっと、お父様と仲良く暮らしてこられたんだろうなぁ~」と感じられました。仲がいいって素敵だなと思います。

それから、なんと言っても「ふるさとの風景が見える」というのは、本当に居心地がいいなとも。

「家」を考える時、通常は「外から中を見る」ようなベクトルで発想をします。例えば、“外から見る外観”。“リビングの造りを見る”。いずれも、「外から中へ」のベクトルです。

しかし、“部屋から見える風景”は、「中から外へ」の目線です。N様邸におじゃまして、この「中から外への目線」がとても大切だなぁ~と実感をしました。「部屋から見える風景」は、そこにいる時間をとても豊かにしてくれます。そんな新しい発見をしたN様邸の取材でした。