Blog 里やま日記
里やま日記 2026.09.11

墨付けという職人の言葉|木材に刻まれた、棟梁の設計図

みなさまこんにちは☺

七十二候では「草露白(くさのつゆしろし)」の頃。朝、庭先の草に降りた露が、白くきらきらと光って見える時季です。

但馬でも、先日大雨警報が発令された日を境に、すっかり過ごしやすい気温になりました。あれほど続いていた猛暑が嘘のようで、朝晩はひんやりとした空気に秋の気配を感じます。晴れ間こそ少ないものの、ほどよい雨が降るようになり、モデルハウスの庭の植物たちも、暑さに耐えた分だけほっとひと息ついているように見えるんです^^

さて、今日は少し趣向を変えて、家づくりの現場を支える職人の「言葉」についてお話ししたいと思います。それは「墨付け(すみつけ)」と呼ばれる、木組みの家づくりに欠かせない伝統技術のことです。

■ 墨付けとは、木材に描く設計図のこと

墨付けとは、柱や梁などの木材一本一本に、加工の位置や向き、他の部材とどう組み合わさるかを、墨で直接書き込んでいく作業のことです。設計図面を、実際の木材の上にもう一度「翻訳」し直すようなイメージ、といえば伝わるでしょうか。

使う道具は、墨壺(すみつぼ)と呼ばれる糸に墨を含ませて直線を打つ道具や、直角や勾配を測る「さしがね」など。そこに刻まれる記号や文字は、長年受け継がれてきた職人だけの符丁のようなもので、他の工務店の大工さんが見ても意味がわからないことがあるほどなんですよね。まさに「木に語りかける言葉」なんです。

■ なぜ、今も手で墨付けをするのか

今の家づくりの多くは、工場の機械で木材を事前に加工する「プレカット」が主流です。効率がよく、品質も安定していて、私たち里やま工房でも、基本的にプレカットを採用しています。

それでも、墨付け・手刻みという技術は、今も大工の中に息づいています。木目の向きも、反りも、硬さも一本一本違う無垢材だからこそ、「この木はここで使おう」「この癖はこう活かそう」と、棟梁が木を読みながら墨を入れていく場面が、家づくりの中にはまだあるんです。機械にはできない、木という生き物との対話が、そこにはあります。

■ 木組みが支える、古民家再生という仕事

施工事例(2016年竣工):古民家再生「故郷の至福の刻」

私たち里やま工房で墨付けの出番が多いのは、古民家再生や改築の現場です。何十年、時には百年以上前の梁や柱と、新しく用意した木材を組み合わせるには、既存の木の癖や傷みを見極めながら、その場で墨を入れていく技術が欠かせません。図面通りにいかないことばかりの古民家だからこそ、職人の経験と勘が頼りになるんですよね^^

こうした手仕事の積み重ねが、但馬・京丹後で長く住み継がれてきた古民家や、私たちがつくる木組みの家を支えています。

■ 但馬の秋と、木を見る目

里やま工房モデルハウス

草露白の頃は、木材にとっても空気の湿度が落ち着いてくる時季。木を扱う職人にとっても、木の状態が見極めやすくなる季節だと言われています。私たちのモデルハウスでも、無垢の柱や梁を間近でご覧いただくことができます。よろしければ、そこに刻まれた木目や、継手の仕事にもぜひ目を留めてみてくださいね。

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木の声を聞きながら、一本一本に向き合う。そんな家づくりを、私たちは大切にしています。

里やま工房のモデルハウスでは、室内の空気感、自然素材の質感、家事動線の工夫を、ゆっくりご覧いただけます。 「まだ具体的じゃないけれど…」そんな段階でも大歓迎です。


古民家再生や、新築・改築リフォームのご相談も随時受付中です♪
里やま工房のこれまでの家づくりの実例や、実際の空気感をぜひご覧ください。

お待ちしております☺

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